情熱とクリエイティビティーに富んだ、アメリカ純国産のハーバルインフュージョン(ハーブティー)
海外渡航に制限がされている中、私達のヘッドティーメーカー(ブレンド責任者) の Ravi Kroesen は、地元のパシフィックノースウェスト(オレゴン州やワシントン州を含む太平洋岸北西部地域)に目を向け、新たな原料を探し求めました。そこには新たなティーの可能性を追求し、新しい収穫方法などに挑む生産者と出会い、また誰しもが予測していなかった素晴らしいティーを発見することに…。
素晴らしいティーメーカーと共に、私たちのティー部署の者も手摘みで収穫する機会をもらい、より一層特別で意味を持つコレクションとなりました。北アメリカのティーメーカーが伝統的なティー作りのより高いレベルを求め、限界に挑むことは不思議ではなく、皆さんと共有できることを待ち望んでいました。
世界初公開、アメリカ国産の珍しいティー
生産者のヘンガーによって生み出されたこのティーは、パシフィックノースウェスト産の野生アルダーツリー(ハンノキ)の新芽と若葉のみを収穫し、中国紅茶の発酵方法を用いられます。ハンノキよりティーを生産した極めて生産が難しいこのティーは、バラや松脂、そしてサンドライトマトの香りを纏う、匠の技を感じられる新たなインフュージョンです。
ガーデンtoカップ(茶葉から口に運ばれるまで)のストーリー
この唯一無二のティーは、実はティーではありません。名前にもある通り、太平洋岸北西部の温帯雨林で育った野生のアルダーツリーから収穫されて作られます。ですが、ティーの葉(チャノキ)とアルダーリーフは形態学的に極めて似ているのです。どちらも小さく、卵型の葉は繊維質であり、葉の周りがギザギザした形をしています。アルダーリーフは湿った、栄養素を豊富む含む土壌で育ち、そしてそういった最適な土壌は太平洋岸北西部には多くあるのです。
私たちのリザーブシリーズのノースウエストアルダーリーフは、職人技を持ったティー作りにおいて学識なバラージュ・ヘンガ―によって考えられました。バラージュはもともとシェフであり、発酵のスペシャリスト、そして熱心なティーメーカーなのです。数年前、彼はウィラメットバレーの中心部でミントアイランドファームという小さなティー栽培がされていることを耳にしました。バラージュは初のオレゴン産ティーの将来性にとても魅力を感じ、ワシントンのシェヘイリスからオレゴンのセイラムへ行き、茶農園を訪れ話をしました。バラージュはすぐにミントの小さなチームのティー農家たちと働き始め、そののちに、現在ミントのヘッドティーメーカーであるクラシエ・メルケルに彼の知るティー栽培についての全てを教えました。
秋のどんよりとした朝、ミントアイランドにある1エーカーの半分(約2023m²)のティーの木の手入れをしていると、バラージュは鹿の群れが茶農園の周りで野生のアルダーリーフを食べていることに気が付きました。"これが何かに使えたらいいのに"と彼は考えました。バラージュはアルダーリーフの新芽と若葉を茶葉のように摘み取って収穫し、そしてそれがまるで緑茶の茶葉であるかのように発酵させました。一番初めのこの試作は青りんごと梨のようなフレーバーを持つ面白いものとなりました。その後バラージュはアルダーリーフのフレーバープロファイルを磨くべく、他のブラックティー(紅茶)、ウーロン茶、イエローティーの製造工程を試してみました。バラージュは摘み取った葉を乾燥させ(葉を乾燥させることで水分が抜け、扱いやすくなります)、その後管理された室温の中で葉を丸めます(発酵と酸化の工程はブラックティーやウーロンティーによく用いられま)。結果は、ローズペタルやフレッシュな松脂サンドライトマトの魅力的なフレーバーを持った、ハーブの香りに酔いしれる一杯となり、とても満足のいくものとなりました。私たちのヘッドティーメーカーであるRavi Krosenは、バラージュのこの取り組みを、特に革新的な成功であると考えます。
"このティーをアルダーリーフのティーだと言わずに提供し、これが一体フローラルなブラックティーなのか、それとも少し酸化させて作ったウーロンティーなのか、飲んだ人はおそらく見当もつかないと思う"とKrosenは言います。"バラージュは伝統的な技法から現代の方法まで中国茶の製造技術をくまなく調べ、そしてそれらをアルダーリーフに応用しました。このようなものは世界中のどこを探しても初めてのティーであり、また次にバラージュがどんなものを考え付くのかとても楽しみです。"
アルダーリーフの栄養素
アルダーリーフの科学的な栄養素などの性質は、ティーに比べると示されているものはほとんどありません。ですがティーとは違い、アルダーリーフはカフェインを含みません。そのため、夕方に楽しむティーの置き換えとして、もしくはカフェインを摂取したくない方にお勧めのティーです。
ネイティブアメリカンの人々はアルダーリーフの樹皮の中身を削り取り、小麦粉の代わりとしてケーキやサラダに使っていました。そして今日でもレッドアルダーの木は衣類の染料として使用されています。さらに、アルダーの木は土壌に窒素をもたらし、またティーの木は窒素が豊富な土壌でよく育つ為、アルダーツリーはその両方に素晴らしい影響を与えるのです。
今日の科学研究によると、アルダーツリーは抗酸化作用のある貴重なものであるとされています。これは、体内にある活性酸素であるフリーラジカルを取り除き、病原体と戦うということです。また同じ研究によると、アルダーツリーはフラボノイド、タンニン、プロアントシアニジンなどを含むポリフェノール(抗酸化作用のある微量栄養素)が豊富であり、そのどれもが抗がん性、心保護作用があるといわれています。
リザーブシリーズ、No.202 ノースウエストアルダーリーフのアイテムページはこちらからご確認いただけます。